新選組!


ごめんなさい。
山南さんが逝っちゃって以降、どうにもダレていました。
観てはいてもぼんやりと。
あるいは裏番組に逃げていたり。
今日も逃げていたのをふとちょうどの時間にチャンネル
替えたら局長と副長が抱き合っていたので手が止まり
ました。
良い掴みですね、三谷さん。
おお!と思わず声が出ましたよ。



武田観柳斎というひとは、この物語において初っ端の
隊士募集に応募してきたときからずっと浮いていたと
いうか、意味もなく偉そうで悪目立ちで挙げ句の果てに
自分の名誉と意地のために川合を見殺してしまって、
物語の内外問わず心証最悪の状態でここまで引っぱって
こられました。
憎めないけど憎いやつというよりは憎いの方に重きが
おかれるぐらいの描写のされ方です。
そのうち、いつしか史実を知らなくても彼がいつ死ぬ
のか、というのを視聴者が考えてしまうように描かれて
いました。それは望んではいけないことで、でも
そうしないとこれまでの様々に折り合いがつかないと
視聴者が感じてしまうようになっていたような気がします。
この辺りの感覚はまるで、法度に縛られた隊士たちと
同じで、視聴者は執行人として見守るように彼の死を
見守ることになります。
彼が生き延びようとするためにする行動はまさに
『あがく』という表現がぴったりで、あらゆる手を尽くし
あがくのです。
結局、彼は生きるということで罪を償うという形を取る
ことになり、生き延びるのかと思いきや、斬られて死んで
しまいました。
それは、びっくりするぐらいあっさりとしていました。
最期の彼は生きていくために刀を振るおうとしていました。
それは、名誉を失ったひとが出発しようとした瞬間の
ことでした。
誰にも看取られず、ただ川合の墓標がそこで見ていたと
いうその最後の最期だけは立派だったと思います。


あああー、でもー、やっぱり辛いよー。