海峡を渡るバイオリン


誰にも成し得なかったことを成し遂げた人というのは
往々にして周りの理解を得られなかったり、並々ならない
苦労をしたりします。
それを越えて尚、目指すもののために進んでいきます。
その道程もまた、傍から見れば理解しがたいもののように
映ります。
───── 昨日のドラマは事実を元にしたフィクション
とのことですが、何というか、カタルシスの薄い感じで
観ていてとても厳しかったです。
ひとりの少年がバイオリンという楽器に出会い、困難を
乗り越え、やがて職人として世界的に認められるように
なるという展開の割に、その過程として描かれた彼と
家族の苦難だったり軋轢に時間が多く割かれていたり、
バイオリンという楽器に出会う少年時代の描写の丁寧さ
と挿入される幻想的なシーンとの違和感が最後まで
気になりました。
物語としてどの部分を強調したいのかという取捨選択に
半端なところがあったような気がします。


結果として登場人物の激しい感情のぶつけ合いが単なる
怒鳴りあいにしか見えないのが辛かったです。

(この項続くかも)