僕の歩く道
- 輝明さんが画面を通してこちらを見た、その瞬間自分が見られている錯覚を起こして引き込まれそうになる感覚がありました。
- ……とは言え。
- とは言え、うーんー。
- 以前ここでクサナギさんが装置のようにそこにあってそれに向かい合う人々の変化をどうこうとかそういうことを書いたんですが、そうなるとこう、別に面白くないかなというか、観る楽しみが少ないかなとか。
- ていうか、20年も付き合ってる幼なじみがあんな簡単に輝明さんを傷つけるようなことを言っちゃうんですかね。それが恋人がらみだからですかね。だとしてもちょっと安易過ぎやしませんかね。
- その前段階として輝明さんに対する偏見がなかった理由について物心がつく前から知っていたからという辺りもなー。そこで明確な理由付けが提示されなかったので都古の輝明さんに対する偏見のなさってものに説得力を感じられませんでした。
- 星さんの演出によるスタイリッシュで四角四面な画面造りにもそういう理由があるという前提があると意味が違って見えてそれは新鮮でした。
- でもなんか物悲しいんですが。
- この"物悲しさ"ってのがポイントなんでしょうか。
- 人間だけど人間に見えないと感じる自分の感覚をどう処理すべきなのかって。
- 毎日必ず表紙から一ページずつめくらなくてはいけない本のような人なんですね。