新選組!


新選組』というその名をついに芹沢が口にすることは
なくて、そういう形に書いた脚本の意図は深いものが
あると思いました。


香取慎吾演ずる近藤勇には、上にあるべき立ち場の人間の
魅力がこれまでほとんど感じられず、また、脚本そのもの
にも余り描かれていませんでした。あるのは説得力に欠ける
賞賛ばかりで、言うなれば裸の王様の透明なマントにも似た、
見えるひとにしか見えないものを描いているようでした。
しかし今日、とうとう近藤はこの決別を選び指示を出しました。
その瞬間まるで透明なマントが翻り、本当のマントになって
その身を覆うように、近藤は今日、局長という肩書きとともに
そこに降り立ったのです。


ってここまで書いてまるで奇妙な宗教か何かに感化された
ような文章だと思いました。ごめんなさい。笑。
いや、何か不思議で。
まるでずーっと前から近藤勇が局長だったみたいで。
そんなことはないのに。
これが三谷さんの魔法なんでしょうか。
わー。


今日も見ごたえがありました。殺陣も刀が鴨居に掛かる
ところとか、横移動の間合いの取り方とか、さりげに
槍の柄を短くするところとか、斬るつもりのない脅しと
本気の差とか。それぞれの性格や性分が余すところ
なく出ていましたね。


全然関係ないんですけど、芹沢暗殺のシーンで刀を構えて
中合わせになった土方と山南に
「きゃー、プリキュアみたい!」
とか無意識に叫んだ自分は色んな意味で失格だと思いました。