転世薫風〜テンセイクンプー
- 嵐というよりは大野さんが気になって数年が経ちます。
- プーシリーズ三部作の最後ということできだつよしさんとのタッグも完全に馴染んだ印象。冒頭から派手な殺陣に掛け合いの台詞も多く、また前作のキャラクターを最初に出すことで場の空気を掴んで持っていくところまで心憎いまでにサービスが行き届いていました。
- 物語の方もこれまでの積み重ねを意識したところが随所に盛り込まれていました。人の心をとらえ、掴み、愛しまれる存在とは何か、人を信じ愛し、人から信じられ愛されることとは何か、そうして、それを忘れず愛し愛され続けることとは何か。
- つまり、描かれていることは物語の姿を借りつつもアイドルとしてそこにある大野さんの姿そのものです。大野さんという存在がどうしてあって、これからどうあるべきなのか、どうありたいのかを表現するための舞台だったのです。
- 何はどうあっても最後は自分という存在を自らが認め、選び、在り続けたいと願い、そうして最後には未来に向かって船出をしていくのです。
- やー、もう完璧でした。振って振って拾って拾って、むしろ丁寧すぎるぐらいだとかそういう文句にもならないような文句しか出てきません。きだ節に全力で挑み答え続けた大野さんの結果がしっかりはっきり出た快作といっていいでしょう。
- ただ、船出というラストが物語っているように、これから、というのが大事なのです。
- ……色々難しいところなんですが。
- 羽場裕一さんが素晴らしかったです。ちょっと升さんみたいかなあとは思ったんですが。悪役といい役のどちらも演じられてて、立ち回りも当然しっかりこなされていましたし、この舞台の成功の大きな要因になっていると思いました。
- これだけ面白かったのにやっぱりお客さんは皆さん嵐の大野さんのファンの方が9割以上なんですよね。いや、当然ちゃ当然なんですが。
- もっといろんな方に観て頂けたらなあとは思うんですが。
- 単なる大野さんが気になるのっていう程度の私はアウェー感を味わいながらの観劇だった訳で。