俺って何にも言ってねー
- いや、まぁ、うん。
- 巡回にすらあまりこなくなってましたよとか。
- 年明けからのお楽しみは華麗はやっぱりチキンカレーぐらいですか。
- 筋立てに綿密な取材を基にした重厚感があって、昭和40年代前半の日本の高度経済成長当初の製造業と経済界の裏側を垣間見られて、そこに決して消えない血の絆を巡って親子や夫婦、家族たちの愛憎が入り乱れる ─────。
- まぁ、嘘はついてないんですよね。うん。
- でもなー。でーもーなー。
- 大体の部分には問題が無くとも、肝心要の主人公である鉄平さんとその周辺の描き方が何だか非常に嘘くさいというか説得力に欠けるんですよね。
- 鉄平さんの理想を後ろ盾するべき彼自身の非凡さと、真意や身上を人々に伝えていくべき部分の描写が非常に適当で曖昧に感じられるのがどうにも。
- 一応東京大学が出てみたり、彼のことを周りが様々な角度から誉めて評するという形だけは強調してあるので何度も出てくるのですが。
- 鉄平自身のカリスマ性は伝わりにくい、というかむしろ単なるお坊ちゃんの若造ぐらいの感じです。
- 特に彼の会社での行動なり言動なりがいっそ冗談なんじゃないかと思われて仕方がありません。
- ひとを説得しなくてはならないシーンでほとんど、まったく、説得の材料を提出できていないのに相手が納得してしまうという不思議。銀行頭取にせよ船積みをする作業員にせよ、どうして鉄平の言うことを聞いてしまうんでしょう。彼はお願いしますと頭を下げただけなのに。
- 他の全ての描写が出来ていてもそこだけがスカスカにしてあるのがわざとなんじゃないかと最近は思うようになりました。
- つまり、鉄平演ずる木村拓哉のオーラを使って納得してしまう、納得させられるようにしてあるのではないかと。
- 穿ち過ぎなんでしょうか、ねー……。
- いや、まぁ、でも毎週楽しんでます。ハイ。