【DRAMA】任侠ヘルパー

  • だからどうして8話当日に7話の話をするんだよ。
  • なーんかここでもリンクは貼ってますが彦一さんは又兵衛さんでもあるので、そんでもってドゥザロコモーションだったりする関係もあって毎日どころか○時間更新のまるでしょこたんみたいな状態で自らの状況を主に周りのひとが一生懸命逐一ご報告をされていたりして、なんか、もう大変とか大変じゃないとか、確かに企業さんに助けてもらうことでテレビって出来てるんですよねとかっていや、知ってますよ?そんなしつこく念押ししなくても。
  • それはさておき7話。
  • ここへきて、ヘルパーっていう職業のお話の中にでもヤクザなんだっけって感じでタイトルの任侠部分が微妙に邪魔っていうか、ああそうだったねという感じでどう混ぜてくのかと不安なものを感じつつあります。
  • まぁ、でも主役である彦一さんのバッグボーンなりそういうひとが敢えて真逆の位置に来るっていうその距離感なり視点ていうのが介護を始めとする様々な問題をより際立ったものに見せる手段として必要なんだとは思います。
  • 介護をする側の負担というのは背負うべき義務であり、責任であり、当たり前のものなのだと。
  • でも"負担"なんですよね。余分にかかる重さなんです。7話の中ではそういうこととして描かれていました。
  • それをどう捉えるか、どう負うのか、それに対して出来ること出来ないことというのが常に投げかけられてきて、その都度判断していかなくてはならない。
  • 母親をひとりで介護している独身女性の娘の生活が簡潔に細やかにそうして次第に追いつめられていくその様子が丁寧に描かれていました。
  • 常に母親を気にかけ、密に連絡を取れる職場となるとやはり縁故関係になるとか、母親は父親の介護をやり遂げた教育者であるとか、そのひとつひとつに頷けるリアリティとそれだけに観ている側にどうしようもない居心地の悪さすら感じさせるものがありました。
  • それは一言で言うと多分『しょうがない』という単語で、でもどこがしょうがないの?という娘の誰にも言えない問いかけや葛藤や忍耐がやがて爆発に繋がったんだと思います。
  • そこで彦一さんです。
  • 彦一さんは冷静にごく真っ当にそんな娘の日常や言動、介護の様子を見て疑問を口にします。
  • それに対しての娘の答えはしかし、頑なで責任感に縛られています。
  • 娘と母親の関係性の破綻は起こるべくして起こるように描かれたのですが、そこで彦一さんという特殊で当たり前でない存在が良くも悪くも出たなあと思いました。
  • 殺意を抱くほどの憎しみや衝動を刃物でもって実行してしまったにも関わらず未遂で、しかも表沙汰にもならなかったというくだり。
  • だって物語なんだからと言われればそうなんですが、物語の限界と理想と、そうして現実と嘘がいっぺんに露になった瞬間だなあと思いました。
  • ……多分、私は彦一さんが、もっと言えばクサナギさんの演じる物語や人物にリアルに近づいていくにつれてそれが本当になればいいのにと願ってしまっているのだと思います。
  • だからこそ、物語が迫っていくそのギリギリで力を緩めたそのときに失望というか、醒めてしまうというか、とにかく、違うんだと知らされて我に返るんです。
  • 一度緩んだ物語はこうして解決する訳ですが、このドラマはそこからがいつも本当にスムーズでかつ、優しく柔らかく解けていってしまうので、まぁ、そういうものなのかなあと遠くを見る目になりつつ。
  • 打ち上げ花火を見て泣き出す娘の解釈というのは多分、ひとによって違うんじゃないかと思います。
  • 綺麗なものを見て綺麗だと感じられることって余裕が必要なんですね。