【DRAMA】任侠ヘルパー
- 終わった、の?
- って、あーらら。あーらら。
- あっちこっちにチェリー、いや違うとっかかりっていうか疑問を残してみたり新たな材料なりを植えていった最終回でした。
- ここで感想を書いていた8話以降はぐーっと任侠寄りにお話が傾いてって、それと同時に彦一さんを中心に登場人物の感覚なり感情なりを追っていく展開になっていったのでまぁ、ドラマらしいっちゃドラマらしいノリになりましたね。
- それにしてもこれまで私が観ていたドラマでここまで台詞と表情に落差というか、その裏の裏にあるものを読み取りたくなるキャラクターというのはなかったように思います。彦一さんなんですけども。
- 彦一さんの喜怒哀楽、あるいは蔑みや和みといった感情や感覚は言葉でなく表情や間合いで表される部分がとても大きく、そのために普通のドラマよりずっと疲れるというか気が抜けないというか、その発する台詞とか動きのひとつひとつを逃さないように観ないと!というのは面白いんですけどもなんか、こう毎回そっときゅっとが流れてくるたんびにああ、今回も無事に終わったかーと弛緩しつつでも予告予告!ともう一度気を張って望む感じで。
- 修行みたいなドラマでした。
- 彦一さんが唐突に怒りを爆発させるそのとき、その方向とか理由とかがすぐに解らないことが多くて、あー、私はこのドラマをどう観てるんだよとか理解できてないんだなーとちょっと落ち込んだりもしたんですけどそれでも別に構わないんですよね。多分。
- そういうことをドラマ観てて感じることも今までなかったんでそれもまた新鮮でした。
- どうにもならないことというのを諦観でただ見送るのではなく、力の限り抵抗することの大事さとか、思う気持ちを伝えられないときにその相手の行動により助けられて伝わっていくそのときのある種の心地よさとか、そういう言葉にならない熱さとか柔らかさを画面を通して感じられたというのがとても素敵なドラマだったと思います。
- 脚本があって、演出があって、そうして演じる役者がいて、ようやく成立するというドラマというものの魅力がいっぱいに詰まっていました。
- 観たことのないクサナギツヨシがまだこんなにあったんだなあとか。
- ……まぁ、でも最終回そのものに関してはフックがありすぎてどっから登ってきゃいいんだかっていうか、いや登っても頂はないんだよっていう残され島にも程があるだろうとは思うんですけども。