マンドラゴラの降る沼

  • 5/13(土)13時
  • 恒例シティボーイズ公演
  • 大ヒット!ここ数年で間違いなくいっちばん面白かったです。台詞詰まろうがトチろうが暗転のタイミングがことごとくイマイチだろうがテーブルのグラス倒しちゃって芝居そっちのけで拭きに回ろうが、カチューシャ取れてうろたえようがストッキングの透けを利用して陰嚢を覗かせようが(途中から全部中村ゆうじさんのやったことになっていますが)とにかく面白かった!
  • そこかしこに原発だの一家殺人だのというブラックな要素を覗かせつつ、冒頭と最後には崖から落ちて死んでしまう人たちというおおよそ笑えない状況にあるシチュエーションを持ってきて、でも笑えない状況にあるひとたちを笑ってしまえというのはコントの多分基本で、そういうのをきちんと踏まえつつ本当に面白いものが観られたのは良かったです。
  • ひとえに久しぶりの参加になったいとうせいこうさんのおかげではないでしょうか。きたろうさんと斎木しげるさんの加齢による衰えやらそれに伴う暴走はもはや止められるものではなく、それを押さえるべき大竹さんも息切れしがちな上にあんまり我慢もきかない感じで、じゃあ誰がボルトを締めるんだろうというときにいとうさんの存在がとてもありがたかったです。
  • そのおかげで、久しぶりに大竹さんの気持ちの悪いキャラクターが生きたコントも一本あったりして、ああいう『良い人』というのは普段の大竹さんのイメージから程遠いからこそ面白いんだろうかとか、いや、大竹さんのイメージを持っていないひとからしても多分成立すると思うとそういうことを考えたりしました。……正直なところ、ここ数年はネタの一本一本に関してどうこう考えたいともあんまり思わなかったんですが、今回の公演に関しては終わってからも色々考えたいところがあります。そういう楽しさを久々に思い出したりしました。
  • 紅一点で参加された銀粉蝶さんも多彩なキャラクター表現がいちいち的確で素晴らしかったです。掃除のおばちゃんから貞淑な妻、同窓会で再会した同級生、鶴の恩返しのおつうだったり、でもマカダミアナッツの精。笑。それら全部がハマるなんて。
  • 音楽はまぁ無難な印象だったんですが、映像が面白かったです。オープニングはともかく合間に入るつなぎ部分の遊び方がこれまでと違ったひっかかりがあって、CGの使い方がさりげなくも気味の悪い感じがナマの部分とのいい相乗効果を生んでいたと思います。
  • これだから止められないなあ。来年も面白いといいんだけど。